【LGBTの今を知りたい】今の若い子たちはtwitterやLINEで悩みを聞いてもらえるからラッキーだと思う


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近頃、「LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)」について取り上げるメディアが増えてきた。しかし、いまなおこの言葉の意味を知らないという人も多いだろう。

「LGBT」とは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル=両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー=出生時に診断された性に囚われず、自認する性を生きる人/生きようとする人)の頭文字から成る言葉である。文脈によってはこの4つにとどまらず、性のあり方を理由に社会的抑圧を受けるセクシャル・マイノリティの総称として使われることもある。

かつて美輪明宏は、「ゲイであることを家族に責められて自殺した知人の死に顔を見たとき、(セクシャル・マイノリティであることを非難する世の中と)戦わなければいけないと思ったんです」と語り、差別や偏見を排除すべく、人が人を愛することの尊さを説いてきた。

しかし未だそうした差別はなくならない。それどころか、インターネットの普及により、蔑視発言が目につくことが多くなったような気さえする。

その一方で、情報社会ゆえのメリットもある。LGBT側からの発信に興味を示し、セクシャル・マイノリティとの交流を深めようと行動する人も増えているのだ。結果、世界屈指の「ゲイタウン」として知られる新宿二丁目で、女性客がお金を落とす時代になった。こうした変化に対して、この街で働く人たちはどう思っているのだろうか? 2011年にオープンしたBAR「LEX」でママをつとめるトシさんにお話を伺った。

女性客の増加にはメリットもデメリットもある

――「LEX」には女性のお客さんもいらっしゃるそうですが、みなさん初めはどんなきっかけで来店されるんですか?

今ってゲイフレンドリーな女性が多いので、常連さんのゲイが女友だちを連れてきてくれるパターンが多いですね。それでうちの店を気にいってくれたらそのあとその子が一人で来たり、また他の友だちを連れてきたり。

でも、二丁目全体として見るとお客さんは減ってきてると思うんですね。それはなぜかといったら、テレビでタレントさんとかが「二丁目で飲むのが楽しい」って発信して、そのイメージが定着してきた影響で、ノンケのお客さんとか女性のお客さんがすごく増えてるんですよ。お客が増えることはお店的には売上が上がってありがたいことですけど、社会生活においてゲイであることを隠している人からしたら、遊び感覚で二丁目に来た同僚の女の子なんかとばったり会ってばれたらまずいでしょ?

――ゲイであることを隠している人は多いんでしょうか?

基本的に、「この子になら言っても大丈夫。信頼できる」って子にしかカミングアウトはしないですよね。自分も昼間はオフィスワーカーなので分かるんですけど、ゲイに対して快く思っていない人も多いし、全員にカミングアウトしたら仕事にも支障をきたすことになると思います。やっぱり、みんなめんどくさいことは避けたいから、普段の生活ではノンケを装ってる確率が高いかもしれませんね。

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――トシさん自身、ゲイ以外の人にすべてを話すことはあまりなかったですか?

学生時代とかも誰にも言ってなかったですし、自ら言う必要性はないかなって考えています。なんだかんだいってゲイ差別というか、偏見を持っている人はたくさんいますので、カミングアウトしたことで相手に不快な思いをさせてしまったり、逆に自分自身が嫌な思いをしたりするくらいだったら言わなくていいかなって。

ネットの普及によって、ゲイコミュニティーの輪が広がった

――最初に、自分が男性を好きだと意識したのっていつごろでしたか?

記憶が定かじゃないですけど、なんとなく幼い頃から男の人には興味があった気がしますね。もちろんその頃はゲイとかホモとかって言葉も知らないですし、自分がそういう感情を持っていることも分からない。高校生のときには彼女もいたんですけど、やっぱりどこかで男の人を追っている自分に気づいてはいました。

その彼女のことはもちろん好きだったんですけど、付き合いながらも「なんか違うな」って感じてて。だからぶっちゃけ、その子とは身体の関係は持ってないんですよ。いざそうなるってときにできなくて、ありがちなんですけど「今日は疲れてるから」ってごまかして。女の子も傷ついたと思います。結果、それから音信不通になってお別れしてしまいましたけど。

そんな感じで過ごしてきて、カミングアウトというカミングアウトはしてないですけど、ネットが一般的になってきたことがきっかけで、ゲイコミュニティの輪は広がっていきましたね。ひとりそういう友だちができると、そこからまた次の友だちができて、気付いたらゲイの友だちと遊んでる率のほうが高くなって、ノンケの友だちとは、あまり遊ばなくなってました。

あとは雑誌ですね。当時、ゲイ雑誌って何冊かあって、出会いを求めてる人の連絡先を掲載したページがあったんです。それで出会ってましたね。多分これは、自分と同世代のゲイは共感するネタだと思います。

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――ネットや雑誌で出会う前は、周りにゲイの人はいなかったのですか?

はい。やっぱりそういう友だちがいなかった時期っていうのは、自分が好きな人が同性だったり、性の対象が男だったりってことに対して、自分がどう対処すればいいのか分からないっていうか、解決できない問題だと感じてました。

だから今の若い子たちはすごいラッキーだと思います。TwitterとかLINEとかですぐに誰かに相談に乗ってもらえるし、なにかしらつぶやくと、ほしい答えが返ってくるじゃないですか。もちろん悪い面もあるとは思うけど、思いのたけをぶつけることができるっていうのは、いいなと思いますね。

将来に対しての不安もあるけど、叶えたい夢もある

――ちなみに今、パートナーはいらっしゃいますか?

彼氏はずっといないですね。ほしいと思ってなくはないですけど、今は仕事や体作り、趣味など自分磨きを優先しています。その結果として、何かを得ることができる気がしているので。

結婚願望はまったくないですが、本当に好きな人ができたら同性婚とかもありかなと思いますし、女性との結婚も多少視野には入れてるんです。性的対象としては女性に興味はないんですけど、やっぱり家族のことが頭をよぎると「結婚式見たいだろうな...」とか考えちゃいますね。こればかりは、ひとりでは解決できることではないので難しいですけど。

ゲイってみんな、年を取ればとるほど悩みが深くなると思うんです。結婚の問題だったり老後の問題だったり。そういったことで悩んでる人は多いですね。

でも、差し当たっての目標は、LEXを今よりもっと居心地のいい場所にすることです。自分にとってもお客様にとっても、ここが落ち着く場所になってくれたらうれしいですね。癒しの空間にしたいなあと思っています。まだ二丁目に来たことがない人や女性のお客さんにも、一度遊びにきてみてほしいです。初めての二丁目で緊張するという方は、空いている平日がおすすめです。週末は朝までやってるので、ぜひゆっくりしていってくださいね。

LEX
新宿区新宿2-7-6フタミビル3F
twitter/@LEX_10425

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松本玲子

Written by 松本玲子

各種雑誌、書籍、web媒体で編集者・ライターとして活動する傍ら、TVCMナレーションやCMソング歌唱、音楽制作なども手掛けている。また、プログレッシブ・ロックバンドswaragaのボーカルとしても活動中。
松本玲子

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