第三十回 GDP成長余地の大きなところをねらえ!


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前回は、日本の人口オーナス期の話をしました。それが日本経済の成長阻害要因であると。

とはいえ、一人当たりGDPが成長すれれば、個々人の生活水準は向上しますので、マスでみた大きさが増えづらくなっても、生きて行く道はあります。

また前回は、内需の伸びより外需の伸びに期待しようという趣旨のことを書きました。企業だって、縮む内需だけ追いかけている必要はないのであって、まだ成長していく外需をうまく取り込むとか、今までに前例のない商品を開発して業態変換を図ったっていいわけです。アップルだって、いつまでもデスクトップパソコン専業メーカーでいたわけではありません。

成長していく外需を取り込むといったとき、ざっくりと考えられるのは、GDPの成長余地の大きなところが狙い目ということです。

狙い目を見い出す

では、それはどういうところでしょう? おそらく、まだ所得水準が低く、キャッチアップ経済モデルで容易に成長ができ、かつ人口ボーナス期にあってこれから一人当たり生産性が伸びなくても成長が期待できる国がいいでしょう。両方の効果の掛け算で、比較的低リスクで成長できそうです。

まず初めに、日米と世界全体、アジア全体の人口ボーナス指数の推移をみてみましょう。以下の図の出所は全て国連人口統計の実績値と推計値を使用して、私が手作りしたものです。

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これをみると、アメリカも日本の後を追って、人口オーナス期に入りつつあることがわかります。従って日米は一人当たり生産性を伸ばしていくことでしか成長が期待できない茨の道が待っています。

でも、そういった技術革新は常に起こるもので、日米欧といった先進国はそれを成長の原動力とすべき時代がこの先50年は続くと思われます。トップランナーの受ける風圧というやつです。

世界全体をみても、そろそろ人口ボーナス期は終わりつつあります。正確に言うと、2を超える水準になることなく、そろそろ天井をつけ始めています。これに対して、アジア地域はちょうどいま、人口ボーナス指数が2を越えてきました。これがあと20年位続きます。

中国に注目が集まる理由

その期待の星は日本のGDPを抜き、アメリカを抜くのも時間の問題という中国ではないでしょうか。

ということで、これがアジア地域の人口ボーナス指数推移です。

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ありゃりゃん。中国、韓国、シンガポールともちょうど今、ピークをつけています。中国や韓国は、日本以上に極端な指数低下が待っています。意外なのはタイまで。

これから人口ボーナス期を迎えるのは、インドやインドネシアのようです。

インドは人口で中国を抜く勢い、インドネシアも3億人以上の人口を抱える大国で、それぞれ、じわっと人口ボーナス期を迎えます。急峻なピークを形成しない分、地味に長く続く感じです。

こういう地域の成長力を味方に付けられれば強いかもしれませんね。

具体的に何をどうということではありませんが、皆さんの本業でも投資先としても、重要なテーマになっていくのではないでしょうか。

さて、最後に欧州主要国の状況もみてみましょう。

これらの国は、日本が成長するための外需を取り合ういわばライバルです。それらの国々の状況を見ておくのも悪くありません。

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これをみると、程度問題としては日本よりマイルドではあるものの、人口オーナス期に突入済みであること、そのタイミングとも日本とよく似ています。

リーマン・ショック後に欧州で起こった欧州債務危機、ユーロ危機といった現象、そして危機からの回復力の弱さは、バブル崩壊後の日本を彷彿とさせます。それは、こういう人口構成も一因なのかもしれません。

ということは、アメリカも含めて、先進国はこぞってアジアの成長を取り込みに来るだろうということです。

日本企業の成長戦略は、これら先進国との競合という観点でも一筋縄ではいかないようですね。

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タナカ(仮称)

Written by タナカ(仮称)

もう四半世紀も資産運用業界をウロウロしている古株。最近、バブル経済のことを話すと、新人が生まれる前の話だったりして愕然とすることがある。NISAや環境金融、国際経済など専門家向けの通信講座を複数執筆、本名での著作もある。ペンネームの意味は他誌の過去記事をご参照。
タナカ(仮称)

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もう四半世紀も資産運用業界をウロウロしている古株。最近、バブル経済のことを話すと、新人が生まれる前の話だったりして愕然とすることがある。NISAや環境金融、国際経済など専門家向けの通信講座を複数執筆、本名での著作もある。ペンネームの意味は他誌の過去記事をご参照。

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